キャンピングカーを使う目的は、「子供たちと一緒にキャンプへ行きたい!」というのが一番ですが、「子どもたちの手が離れたので夫婦二人でキャンピングカーを使って旅をしたい」というニーズもあります。
夫婦二人でのキャンピングカー旅行はどうでしょう。
「ふたり旅を考え尽くしたコンパクトバンコン」というキャッチフレーズのクルマ、アネックスのWIZを香川県の高松空港から借りて2泊3日の旅をしました。
コースは香川県から徳島県の山と海へ。山はIT企業がサテライトオフィスを開設するなど今全国的にも注目されている神山町へ。海はウミガメが産卵するきれいな浜がある徳島県美波町を巡りました。
初日高松空港から徳島の神山町へ
今回は東京から飛行機で香川県の高松空港へ。空港までキャンピングカーを配車してもらい出発します。
クルマはハイエースベースで長さ469cm、幅169cmと普通の乗用車と変わりません。細い山道でも問題なさそうです。
室内に入るとキャンプに必要なものがコンパクトにレイアウトされ、テーブルも大きく二人旅には十分です。
一通りの使用説明を受けて出発。
丁度お昼にさしかかるので、香川県を抜ける前にさぬきうどんの店へ。
通りがかりに寄ったお店ですが、さすがさぬきうどん。美味しいうどんでした。うどんと一緒におでんがあるのがうれしいですね。
次に向かったのは四国に来たのでやはり四国八十八か所参り。キャンピングカーを借りた「ウェスト・キャンピングカーレンタル四国」のコンセプトの一つも「キャンピングカーで巡る四国八十八か所お遍路の旅」なので、徳島に入ったらまず一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)へ。一番札所へ行く途中、先に二番札所の看板に遭遇しました。一番札所と二番札所は近くにあるようです。
霊山寺の境内や駐車場は大変広く、一番札所らしく巡礼用品を販売するお店もありました。
ただ一番、二番札所は大きいけれど、札所の中には山の中にあり、クルマの行きかいも大変なところもあるそうなので、本格的に巡礼をする場合油断は禁物。キャンピングカーで回るならこのサイズのバンコンが最適なようです。
神山町は徳島市内から比較的近いとはいえ山の中にあるので明るいうちに着きたいと思い早々に今夜の宿泊地、キャンプ場のコットンフィールドへ向かいます。
出発してからずっと雨が降っていましたが、神山町へ行く途中の山道はところどころ桜が満開で大変きれいでした。山道をお遍路さんも歩いています。
キャンピングカーって便利・・・冷蔵庫がある!
神山町には夜でもやっているレストランもあるとは聞いていましたが、行けなかったときのことを考えて、途中のスーパーでお酒や少しの食糧を調達。こんなときキャンピングカーには冷蔵庫があるので大変便利に使えます。
今夜の宿泊地キャンプ場コットンフィールドと神山町
コットンフィールドに着くと川のそばのキャンプサイトに案内してもらいました。今日は平日なのでキャンプサイトは貸切です。明日このキャンプ場で結婚式が行われるそうで関係者たちはコテージに泊まっているようです。
コットンフィールドのオーナー森昌槻氏は「日本の田舎をステキに変える!」というミッションを行っているNPO法人グリーンバレーの理事もつとめています。キャンプ場を作る前は牧場にすることも考えていたそうです。
神山町へは全国から視察や移住希望者などたくさん来ていますが、だいたい2泊3日位の予定で訪れて、現地の人たちとの交流もはかりながらじっくり神山町の現状を知るようです。
森氏に神山町のことなどいろいろ教えてもらった後、近くの神山温泉が8時までやっているこということで温泉へ。
こんな山の中の温泉に平日若い人たちがいることはまずないのですが、入浴している人たちの半分は30才代前後と思われる人たち。これを見ていかに神山町に若い人たちが来ているかがわかります。
その後、夜遅くまでやっているカフェ オニヴァへ。お店は想像以上におしゃれで料理も美味しいお店でした。
お店の話しでは、神山町で遅くまでやっているのはこのオニヴァと焼肉屋さん(確かさっきの神山温泉のそばにありました)。山の中で夜9時ごろに開いているお店なんかまずないですね。神山町のすごさをかいま見ました。
キャンピングカーの中はベッド展開すると幅140cmになり夫婦二人なら十分の広さです。
「ウェスト・キャンピングカーレンタル四国」で用意している寝具の枕も大振りで寝やすいものでした。こういう配慮が生活とかかわるキャンピングカーでは実は大事なところです。
翌朝は大粟山へ。ここに神山町が発展するきっかけになったアーティスト・イン・レジデンスに参加したアーティストたちが残した作品があります。山を散策するように歩いていると作品が突如現れて面白いところです。コットンフィールドから歩いて行け、いろいろな作品を見て回って1時間半位のコースでした。
神山町は森氏はじめ地元の人たちが中心になってアーティスト・イン・レジデンスを開き、それがきっかけで外部から人が来るようになったようです。そして徳島県のインターネットインフラの整備に伴い光通信の充実から東京のIT企業がここへサテライトオフィスを開くようになって来たようです。
いろいろなお店が個性を発揮しているのでなおさら引きつけられます。
山から県南の海へ
神山町の山を抜けて、徳島県の南のきれいな海へ向かいます。
途中、徳島のサグラダ・ファミリアといわれるカフェ「大菩薩峠」(阿南市)で昼食。
「営業中」の大きな看板がなければ、ここが何だかわからないかも。
昔風に作った建物はありますが、ここは気合いが違います。オーナーが1960年代からレンガを積み上げて作っており、今も作業を進めているようで、サグラダ・ファミリアと言われる由縁です。注文したランチもボリュームがあり、美味しかったです。
その後さらに南へ進み、美波町へ。ここに大きな道の駅があったので立ち寄ります。雨も降っているし、夕食どうしようと思っていたところ、地元でとれた魚のお寿司などを売っていたので調達。今夜はキャンピングカーの中で夕食です。
キャンプ場へ行く途中、貝の資料館モラスコむぎを見学。
ここは貝の資料館ですが、ところどころギャグを利かせた展示もあり笑えます。
今夜の宿泊地はまぜのおかオートキャンプ場。4月初旬の雨の日。土曜日ですがキャンプ場には他にクルマがいません。コテージはうまっていますが、他にお客さんがいないので好きな場所に止めていいといわれ、海のそばの眺めの良いところへ駐車。
お風呂はここから少し走ったところにある遊遊NASAという立ち寄り湯へ。その後もずっと雨が降っていたので食事も車内ですませました。
せっかく空気もきれいなとことに来ているのに星空も見れず残念。
キャンピングカーって便利・・・天候に左右されない安心感!
雨でキャンプ場では椅子もテーブルも出せません。ただ、キャンピングカーの中は二人ならゆったりとくつろげるリビングがあるので、中で過ごせばいいかとなりゆきで決められます。寒くなってもFFヒーターで暖まれるので安心感抜群です。
ウェルかめのウミガメ館へ
朝起きてやはり雨なので車内で朝食。
キャンプ場を出て日和佐うみがめ博物館カレッタへむかいます。ここは朝のNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」(倉科カナ主演)の舞台の一つウミガメ館。
屋内展示と屋外展示にたくさんのウミガメがいます。
途中23番札所の薬王寺を遠くへ見上げながら、厄除けうどんをいただきます。
これから東京へ帰るので、坂出市にある「ウェスト・キャンピングカーレンタル四国」にクルマを返却して、高松空港までクルマでおくってもらい帰郷しました。
夫婦二人旅をした感想
運転
山道にも入って行く予定でしたが、乗用車サイズのバンコンなので運転には不安がありませんでした。
四国八十八か所参りをするなら、このサイズのバンコンがピッタリと思います。
居住
今回借りたアネックスの WIZというクルマはキャンピングカーとして細部まで使い勝手が良く考えて作られています。 事務仕事をこなしたり、二人旅に出かけたりと幅広く使えるクルマでした。
総評
キャンピングカーを買いたいと思っているお父さんは、まずレンタルでキャンピングカーを借りて奥さんと一緒に出かけるのがお薦め!
村上龍の短編小説「55歳からのハローライフ」に「キャンピングカー」というのがあました。早期退職したお父さんがキャンピングカーで日本中を旅すると言ったら奥さんはじめみんなに反対されるというお話し。確かNHKではリリー・フランキーが主演です。
この構図は良くある話で、キャンピングカーの購入前にはいかに奥さんを説得するかがカギ。
キャンピングカーのカタログを並べて男のロマンを語るより、レンタルでキャンピングカーを借りて奥さんと一緒に旅行へ行く方が手っ取り早く説得出来ます。と今回の旅行でそんなことを思いました。
夫婦二人なので荷物は着替えと身の回りのものだけで、ホテルを使って旅行するのとかわりません。子どもたちがいないので BBQの必要もなく、現地のお店で食事をして、日帰り温泉を使えば楽です。
観光地でキャンピングカーを借りて巡るというのも新しい旅のかたちと思います。