ここ数年、夏の北海道ではレンタルキャンピングカーを使って観光を楽しむ人が激増している。その人気の主な理由は、宿泊費を節約できること、宿泊先を予約せずに自由気ままな旅ができること、キャンピングカーならではのフットワークを活かして短期間でも充実した旅ができること、キャンピングカーという非日常的なツールで特別な旅を演出できること……。
東京から札幌までは、飛行機で1時間半程度。レンタルキャンピングカーを活用すれば、短期間でも驚くほど充実した北海道旅行が実現できる。そこで今回、北海道とレンタルキャンピングカーの親和性の高さを証明するため、札幌と千歳に営業所を持つキャンピングカーレンタル「DO CAMPER」の協力を得て、1泊2日の北海道旅を実践してみた。短期間でどれだけ充実した旅ができるのか、レンタルキャンピングカーの有用性に注目だ。
DO CAMPERは現在閉業しています。
目次
成田空港から新千歳空港まで快適な空の旅
できるだけ北海道で過ごす時間を多く取れるように、7:55成田発~9:35新千歳着の飛行機に搭乗した。移動時間は、約1時間半。朝の飛行機に乗ってウトウトしている間に、アッという間に北の大地だ。
持参した荷物は、着替えの入った28Lのバックパックと、撮影機材の入ったコンパクトなショルダーバッグのみ。この軽装を見て、「これから北海道でキャンプ旅をする」とは、誰も思いもしないことだろう。この手軽さこそが、飛行機とレンタルキャンピングカーを活用した北海道旅の大きな魅力だ。
新千歳空港から無料シャトルバスで移動
新千歳空港からDO CAMPERの千歳営業所がある「千歳アウトレットモール・レラ」までは、無料シャトルバスが運行している。移動時間は、約10分。1時間に2本の運行となるので、事前にHPで時刻表をチェックしておくのがベターだ。
千歳アウトレットモール・レラは、広大な敷地内にさまざまな店舗やレストランが入ったアウトレットモール。スケジュールに余裕があるなら、レンタカーを貸りる前や返却後に時間をとり、モール内を散策してショッピングやグルメを楽しむのもお勧めだ。
DO CAMPER千歳営業所でキャンピングカーのレンタル手続き
シャトルバスを降りてから千歳アウトレットモール・レラの敷地内を歩き、DO CAMPER千歳営業所へ向かった。キャンプギアが大量にディスプレーされた店内は、レンタルキャンピングカーの営業所というより、アウトドアショップのような雰囲気が漂っている。
DO CAMPER千歳営業所では、アウトドアメーカー「ロゴス」のテント、タープ、チェア、テーブル、マット、寝袋、クーラーボックス、小物類などを取り扱っており、もちろんすべて購入可能。キャンプギアの忘れ物や不足分を補填したり、レンタル品で気に入ったアイテムを購入したりと、便利に活用できる。
レンタルキャンピングカーで北海道の旅に出発!
レンタルの手続きを済ませ、車両の取り扱いや注意事項の説明を受けたら、いよいよ北海道キャンピングカー旅のスタートだ!
今回レンタルしたのは、バンテック社のコルドバンクス。全長5m×全幅2m未満に収まった比較的コンパクトなボディは取り回し性に優れ、キャンピングカーが初めの人でも不安なく運転できる。パワーに余裕のある3Lディーゼルターボ搭載車なので、急な坂道や高速巡行も快適。内外装の清掃も行き届いており、旅の相棒としては申し分ない。
細部まで行き届いたホスピタリティに感心!
今回DO CAMPERでレンタルした車両を実際に使ってみて、同社のホスピタリティに感心させられた。一般的に、レンタルキャンピングカーの装備には使用制限が設けられていることが多いが、同社の車両はシンクや常設コンロのほか、トイレの使用まで可能となっており、キャンピングカーの利便性をフルに味わうことができる。
上部収納庫には、アメニティグッズが完備されている。一般的なレンタカーでは、ティッシュひとつとっても自分で用意しなくてはならず、不便が多い。とくに、車内で生活をするキャンピングカーの場合、ちょっとした調理用品や生活用品が必要となることが多いが、同社のレンタル車両にはティッシュ、ウェットティッシュ、トイレットペーパー、キッチンペーパー、コップ、紙皿、割りばし、アルミホイル、サランラップ、万が一の救急セットまで、旅に役立つアイテムがサービスで用意されている。実際に使ってみて初めて分かる「おもてなしの心」に、感心させられた。
テーマ① 北海道屈指の人気キャンプ場で至福のキャンプ!
2日間という限られた時間だが、「北海道の自然環境を体感するには、キャンプがベスト」という理由から、あえて「北海道でキャンプをする」ということを旅のテーマのひとつとした。
訪問したのは、中富良野にある北海道屈指の人気フィールド「星に手のとどく丘キャンプ場」。広大な牧草のキャンプサイトからは富良野らしい穏やかな田園風景が一望でき、朝には放牧された羊がサイトまで遊びに来る。オーナー手作りの炉で焚き火を楽しめるほか、条件がよければ満天の星空を眺められ、管理棟の食堂や自分のサイトで絶品のジンギスカンも味わえる。まさに、北海道の魅力が凝縮された、唯一無二のフィールドだ。
雄大な景色を眺めながら、ゆったりと流れる時間の中で、至福のキャンプ。そんな贅沢な時間を過ごせるだけでも、わざわざ北海道まで来たかいがあるというものだ。
テーマ② 富良野と美瑛の絶景を満喫!
キャンプ地が中富良野ということもあり、今回の旅では、北海道の人気スポット富良野・美瑛にエリアを絞って観光を楽しんだ。キャンピングカーをレンタルした千歳から富良野までは、高速道路を利用して約2時間の道のりだ。
北海道名物の雄大な直線道路をハシゴしたり、美瑛でのどかな田園風景を堪能したり、美瑛の「四季彩の丘」や富良野の「ファーム富田」で一面に咲き誇る花畑に感動したり、山の中にひっそりとたたずむ無料の露天風呂「吹上露天の湯」でのんびりと入浴したり……。短期間ながらも、富良野・美瑛の主要スポットを完全網羅した。
「1泊2日で、本当に北海道の旅ができるの!?」と思っている方も多いだろうが、たった2日間でもこれだけ充実した観光ができることを、今回のレンタカー旅で証明できた。訪問先が増えればそれだけ駆け足になるので、ゆっくりと観光したい人は訪れるスポットを減らして余裕のあるスケジュールを組めばOKだ。
テーマ③ 北海道のご当地グルメを食べ尽くす!
北海道に行くなら、北の大地ならではのご当地グルメは欠かせない。1泊2日となると食事の回数も限られるが、できるだけ名物グルメを味わうことを心がけた。
1日目の夕食は、宿泊地「星に手のとどく丘キャンプ場」の敷地内に併設されている「ひつじの丘」のジンギスカン(夜はキャンパーのみを対象にしたサービス営業)。2日目のランチは、富良野駅前の有名店「くまげら」の和牛ローストビーフ丼。食後には、富良野の「カンパーナ六花亭」で絶品スイーツを味わい、レンタカー返却後に新千歳空港内の「どんぶり茶屋」でボリューム満点の海鮮丼を食べて、旅の締めくくり。北海道でしか味わえない絶品グルメを、思う存分堪能した。
DO CAMPER千歳営業所でレンタカーを返却
充実した美瑛・富良野観光を終え、約2時間のドライブを経て夕方にDO CAMPER千歳営業所に到着。事故やトラブルもなく、レンタルキャンピングカーを無事返却した。
レンタルしたコルドバンクスは、ディーゼルターボのトルクフルな走りでストレスを感じることもなく、適度なボディサイズのため駐車場所に困ることもなかった。快適な旅を支えてくれたコルドバンクスの利便性と、DO CAMPERの素晴らしいホスピタリティに感謝!
1泊2日の旅を終えて飛行機で東京へ
帰りの飛行機は、20:25新千歳空港発。思い起こせば、前日の朝に同じ新千歳空港にワクワクしながら到着したばかり。それから、たった2日間とは思えないほど充実した北海道旅を満喫した。機内で旅の余韻を味わいながら、東京へと帰還。1泊2日の北海道レンタルキャンピングカー旅は、無事終了した。
2日間でこれだけ充実した旅ができるということは、週末の土日を使った北海道の旅も十分可能ということ。短期間で気軽に北海道の魅力を味わうもよし、長期休暇を利用して贅沢なロングトリップを体験するもよし。レンタルキャンピングカーは、さまざまな旅のスタイルにマッチする「最強のツール」だ。
DO CAMPERは現在閉業しています。