レンタルで借りるときにワンボックスタイプの「バンコン」か、それともトラックベースで居住区が広い「キャブコン」か迷いますね。
ショップに聞くと、レンタルではキャブコンの方が人気があるようです。
どうぜ借りるならキャンピングカーらしいクルマ、大きいクルマを借りたいという人が多いようですね。
でもバンコンも魅力は多いはず。そこでバンコンを借りて、ちょうど今が時期の魚沼コシヒカリの刈り入れをみに新潟へ向かいました!
今回お世話になったショップは埼玉にあるキャンピングカーのレンタル店。ここで日産キャラバンベースのバンコン、レクビィ製のファイブスターを借りました。
金曜日の夜借りるとレンタル料金がお得になるサービスをしているお店も多いので、金曜の夕方に借りて日曜日に戻す予定です。
金曜日の夕方、バンコンを借りた初日
出発の日、夕方6時にレンタルのお店へ到着。手続きとクルマの使用説明を受けるのに約30分。このクルマはマットの移動で椅子がベッドになるので展開がラクそうです。
8時に一緒に行く友人が到着するまで、クルマの中ですごします。説明を受けた設備や電気関係の確認。パソコンを開いたり、仕事の電話を受けていてもリビングがあるので落ち着けます。
そうこうしている間に友人が到着。今回は大人二人での旅行です。
走り出しはバンコンなので普段乗っている乗用車とあまりかわりません。全長は5m弱あるので、コーナーを曲がるときはサイドミラーを確認しつつ注意し運転。それでもキャブコンのようなサイドの張り出しはないのでストレスはありません。
途中コンビニへ寄って、飲み物と食糧を調達。
駐車場へは頭から入れて、バックで出発。暗くなってからクルマを借りたので、サイドミラーやルームミラーでどこまで見えていて、何が見えていないのかよく分からないので、後退は慎重に進めます。このクルマはバックカメラも装備されていますが、これもどこまで写しているのかわからないのでゆっくりゆっくり。
初日は関越自動車道の沼田インターを降りた近くにある道の駅白沢へ。目的地まで半分位のところですが、100kmほどなので1時間少々で到着。
当初赤木高原のサービスエリアで車中泊を計画していましたが、サービスエリアはトラックのエンジン音がうるさいよと、レンタルのお店からアドバイスを受けて道の駅白沢を紹介してもらいました。
白沢の駐車場にはすでにキャンピングカーと車中泊をしている乗用車が数台止まっています。
ここには日帰り温泉施設「望郷の湯」があり入りたかったのですが、着いたのが10時少し前で入れませんでした。
夕食前にまず冷えたビール。さっきのコンビニで買ったビールをクルマについている冷蔵庫に入れておいたのでバッチリ冷えています。
軽く飲んだ後、せっかくのキャンピングカーなのでクルマの中でお湯をわかしてプチキャンプ気分でカップラーメン。
ハイルーフ仕様の室内は、身長168cmの私にはお湯を沸かしたり、着替えなどで立って動くときも全く苦にならない室内高が確保されていました。
9月なので暑くて窓を開けた場合の網戸の設置など説明をうけていましたが、気温13度でむしろ寒さ対策。
寝始めたころは備え付けの毛布1枚で問題なかったのですが、明け方窓の近くから冷えてきました。ここで天井に着いているFFヒーターを右にひねってスイッチON。これで静かに暖房開始。温かく眠れました。
夜が明けて道の駅白沢内を散策。施設内はよく整備されていて気持ちよく、ドッグランもあり、ペットと一緒の旅にも最適です。
散策を終えてまた、キャンピングカー内でお湯を沸かしてドリップ式のコーヒーを1杯。
魚沼コシヒカリの刈り入れを見学
沼田インターから100km程走って目的地の北魚沼へ到着。ここからコシヒカリと北魚沼見学のお話しです。
関越トンネルを抜け、しばらく走ると魚沼。いつもはスキーで訪れるところなので一面雪景色ですが、今日は目の前に黄金色に輝く田んぼが広がっていました。
ここからは現地の農業法人山田下農産組合の組合長をはじめ、皆さんに案内をしていただきました。
たわわに実った稲穂は黄金色に色づき、収穫を待っています。
訪ねた日は土曜日でしたが、兼業農家も多くこの土日が刈入れの最盛期になるそうです。
田んぼで稲穂が倒れているのを見ますが、風の影響で倒れているのかと思ったら実った稲の重みで自然に倒れていき、この位に倒れているのが一番良いそうです。
刈入れは乗用型のコンバインで行います。
コンバインは1台700~800万円。キャブコンのキャンピングカーが1台買えますね~。
刈入れはピンポイントの日に農家の皆さんが一斉に行うので、レンタルとかで使いまわしが出来ません。
そこで農家が集まって農業法人を作り、高額の機械を買っているということでした。
コンバインで全て機械任せかと思ったら、刈り入れている稲の周辺を回りながら何かしている人たちがいます。これは稲と同じ高さになっている雑草を見つけて手で抜く作業でした。放っておくと、刈り入れて脱穀したものに雑草の実が混じってしまうそうです。目ぼしい雑草は刈入れの前日に田んぼの中へ入って1度抜いています。
組合長さんは、田んぼの畔(あぜ:へりの部分)の違いを説明してくれました。よく見ると田んぼによって畔に生えている草の状態が違っています。
一つは雑草の状態が低く生えているもの、もう一つはたくさんではないが雑草がある程度伸びているもの。
この雑草を放置しておくと稲を食べるカメムシの発生をうながしてしまいます。前者では畔に生えた雑草を手で刈っており、稲が育つまで5,6回刈取ります。後者は除草剤を使って草をとります。
出来るだけ無農薬で育てるためには田んぼの中だけでなく、田んぼを取り囲む周辺からも農薬が入らないような手間をかけています。
ここでとれたお米は、JA(農協)が持っているカントリーエレベーターと呼ばれる貯蔵施設へ持って行きます。貯蔵施設では刈り入れたお米を乾燥させ一定の温度に保ちます。
ここでお米は籾(モミ)のまま貯蔵されます。籾をはずした玄米で保存するよりも長期間美味しい状態を保って保管できます。
カントリーエレベーターがあることで、周辺の農家は費用のかかる保管施設を独自に持つ必要がなく、大変助かっています。一方、田んぼによって土の質や育て方、農薬の使い方など少しづつ違っているものがここに持ってくることで全て一緒になります。
消費者が望む低農薬のお米であったり、場所を特定した田んぼで取れたお米を食べたいといったニーズにこたえる為には独自の貯蔵施設を用意して貯蔵する必要があります。
低農薬のお米の値段が高くなっているのは現地をみて、雑草の手作業による処置や別に保管、流通させることが理由になっていることが良くわかりました。
低農薬で育てたお米について
今回訪問した山田下農産組合ではJA(農協)へ持っていくお米とは別枠で、低農薬で育てたお米を作っています。
現在流通経路を整えていませんが、本物の魚沼産コシヒカリをご希望の方へは年間契約でお米をお届けすることが出来ます。
ご希望の方はレンタルキャンピングカーネット事務局までお問い合わせ下さい。
山田下農産組合から直接ご連絡させて頂きます。
お問い合わせフォームへ
北魚沼観光
刈取りの現場を見学した後、キャンピングカーで来たのだからとキャンプに良さそうな場所や地元の面白そうな場所を案内してもらいました。
道光高原緑地公園展望台
ゴルフ場の近くにあり、高台から北魚沼を一望。芝生がきれいに手入れされており、バーベキュー施設も整っています。
小黒川河川公園
ここもバーベキュー施設が整っており、芝生が大変綺麗です。小黒川沿いにありますが、ホタルの季節になると非常に多くのホタルが飛ぶそうです。ホタルの季節にキャンピングカーで来たいですね。
戸隠神社
小黒川河川公園の少し先にあります。ここは権現堂山の登山口へもつながっており、山が好きな人はここから登るのも良いですね。この近くに長松の十三仏塚という史跡があります。
玉川酒造
1673年創業の酒蔵を見学。見学コースがあり、一般の人に解放しています。最後に試飲コーナーがありますが、もちろん運転者は飲めません。ここで使っている湧水を飲めるコーナーがありましたが、飲むと軟水でおいしいお水です。お米もこの水で作られていると思うとお米の美味しさにも納得です。
神湯温泉
キャンピングカーの旅にはかかせない日帰り温泉施設です。夕方入浴。一日の疲れが取れました。神湯温泉には道路をはさんだ向かえ側にキャンプ場としてキャンピングパーク神湯温泉が併設されています。
二日目の駐泊の後帰路へ
この日の夜は地元で案内いただいた方の自宅近くに駐車。
夕食は地元の方と懇親会をかねてお店で取りました。
宿泊はキャンピングカーの中で。
民家に泊めてもらうのはお互い気兼ねやむかえ入れる家の方も準備が大変になります。キャンピングカーだと駐車出来る場所さえあれば中で寝ているのでお互いに気を使わないので楽ですね。
明け方はまたFFヒーターにお世話になりました。ちょっと目を覚ましたときに、スイッチはひねるだけで車内が温かくなるので快適です。
翌日は今年取れ立ての新米コシヒカリで作ったおにぎりを朝食に握って頂きました。
美味しいお米の特色はあったかいときに食べるのがうまいだけでなく、冷えたお米も美味しいこと。まさにおにぎりはコシヒカリの美味しさを存分にはっきしていました。
午前中まだ時間があったので小黒川河川公園へ。
駐車場にはだれもいませんでしたので、ちょっとだけサイドオーニングを広げてコーヒーを一杯。
帰りの関越道は昼前に出たので混むこともなく、早めに埼玉のお店へ到着し、クルマを返却しました。
バンコンで2泊3日の旅行をした感想
運転
バンコンはサイズ的に乗用車に近く、サイドの張り出しがないのでクルマに早く慣れます。今回のベース車キャラバンば2400ccのエンジンだったので高速中心の運転でも他のクルマについていくのにストレスもありません。
居住
ハイルーフで天井が高くなっており、室内高162cmとのことでしたが、168cmの私には立ち上がって作業をしてもほとんどストレスを感じませんでした。もう一人は身長175cm。それでも首を屈めてつらいということはありませんでした。
リビングはフロント椅子を前に倒すことで対座式になります。フロント側に座るとやはり椅子が狭いので、リビングでのくつろぎ感はキャブコンにかなわないと思います。
今回のクルマは常設で2段ベッドがありますが、就寝は後方で1人、リビングをベッド展開して1人といるかたちで眠りましたが、快適に眠れました。
総評
バンコンは結構使えるというのが今回の感想です。
いろいろなことを1台でこなすキャンピングカーはどこかを良くすると変わりに、どこかで問題点が出るといったことがあります。シニア層の二人旅や両親と子ども一人、まだ小さい子どもが二人といったファミリー層ならバンコンはレンタル価格、運転、居住といった総合力で高い評価が与えられると思いました。
バンコンだとワゴン車を持っている人からみると、キャンピングカーとしての魅力が今一つ欠けるようにみえますが、実際に使ってみると食事が出来るリビング、体を伸ばして寝れるベッド、エンジンをかけなくても暖が取れるFFヒータなど乗用車とは全く違うものでした。
持参して使わなかったもの:寝袋
クルマに用意されている毛布とFFヒーターで十分でした。
持参して良かったもの:クッション
自分のクルマにいつもクッションを積んでいるので、これをキャンピングカーにも積み替えました。
リビングでくつろぐときや就寝時の枕にと、これは役に立ちました。