
キャンピングカーを買う理由の一つに、ペットと一緒に旅行をしたいからということが上位にあります。
ならばレンタルで実際に使ってみましょう。
入梅前の6月。キャンピングカーの旅行には最も良いこの季節にペットを連れてオクシズへむかいました。
オクシズ(奥静岡)は静岡市北方の山間部で南アルプスに接する地域になります。
今回の車両は静岡県三島市でレンタルを行っているレンタキャン富士山三島(現在は閉鎖)にて小さ目のキャブコン・マッシュを借りました。
レンタキャン富士山三島では「ペット同乗可」の車両を用意していますが、レンタルショップによってはペット同乗不可のお店も多いので事前確認が必要です。
お店は新東名高速 長泉沼津インターチェンジのすぐそばにあるので、高速が空いていれば東京から1時間少しで行けます。途中東名高速の足柄サービスエリアで休憩。ここにはドッグランの施設もあるので犬連れには最適です。


レンタルの手続きと一通りの使用説明を受けて出発。乗車は大人2人と10才を超えたトイプードル1匹です。
マッシュは幅2mありますが、長さは5mないので、運転をはじめたときから取回しのしやすさを感じます。


三保の松原から南アルプスへ
オクシズへ向かう前に、まずは昼食と買い出しをかねて魚介類が揃う清水港を目指します。
はじめての清水港なのでかってがわからないままフェリー乗り場へ着きました。
港の人にエスパスドリームプラザへ行くといいと言われ、すぐそばにあるドリームプラザに向かいました。
駐車場も広く、運転しはじめにキャンピングカーを停めるには最適です。


中はレストランや買い出しが出来るお店が揃っていて便利でした。
ペットがいるのでお弁当を買ってキャンピングカーの中で食べようと思ったのですが、広いテラス席がありペットとの食事も問題ありませんでした。
夜の食糧もここで買ってキャンピングカーの冷蔵庫へ入れておきます。
食事の後、まだ時間が早いのでここから近い三保の松原へむかいます。
一緒に連れてきたトイプードルはあまりクルマに乗るのが好きではないので、ところどころ休憩すると喜びます。
三保の松原は世界遺産に登録されたためでしょうか、新しく広い駐車場も完備され、キャンピングカーも快適に駐車できました。


今回キャンピングカーで走っているため夜のネグラの心配もいらないので、事前チェックほとんどなしに出かけたのですが、ここから駐泊予定の南アルプス白樺荘をカーナビに入れると60km以上あり、到着予定時間も6時少し前。「そんなにかかるの?」と思いましたが地図を拡大してみると道はお腹の腸のようにクネクネよじれています。
とにかく白樺荘のお風呂が開いている時間に間に合うように出発。
以前山道を走った経験から、町を離れるとそのあとコンビニなど一切なくなることが多いと思い自動車道を降りたところにあるコンビニで飲み物や食料など最後の補給。これは正解でした。その後コンビニや売店は一切見当たりませんでした。
カーナビがしめすまま県道27号線を入っていきます。山道は太くなったり、細くなったりを繰り返しますが、深く入って行くに従って細い方が長くなっていきます。高度が上がって行くと周りが杉林に囲まれて薄暗く、さらに霧も深くなっていきました。カーナビを見るとまだ数十キロの距離を残しています。同乗者はさっきからワンコと一緒にキャンピングカーのリビングにいるので、足も使って体の揺れを支えているようです。
前に集中しているので、後ろを振り向く余裕がありません。
「ルームミラーで見れば!」 いえいえこのクルマのルームミラーのところはバックカメラのモニターになっており、いつも良好な後方視界を確保しています。そのかわり室内を確認するルームミラーの機能がありません。


まだこの道が続くのかと思っていたところ、県道60号に出ました。ここからは少し道幅も広くなり5時に温泉のある白樺荘につきました。
クルマの揺れに始終吠えていたワンコも、ようやくクルマから降りて気分転換のお散歩。
そして交代で温泉へ。外の露天風呂は源泉かけ流しと教えてもらいましたが、内風呂よりもヌルッとした感じも強く、南アルプスの山々を見ながらほっと一息つきました。
そして温泉へ入る前に白樺荘の人にキャンピングカーを停めて、車駐泊しても良いか確認するとかまわないとのこと。駐泊するなら広い方の空き地に停めるよう誘導していただきました。
高度も高く、夏場は涼しくて気持ちよさそうです。
夜はペットと一緒に昼間調達したお寿司で食事。ワンコも疲れていたようですぐに寝てしまいました。


南アルプスから静岡市内へ
翌朝は高地のすがすがしさと共に目覚めます。
ホテルと違って朝食の時間、チェックアウトの時間も拘束されないキャンピンでグカーは自分のペースで朝の時間も過ごせます。
ペットがいると朝の散歩にも時間を使うので、時間を拘束されないキャンピングカーは威力を発揮します。


今回クルマを東京まで返すのでなく、三島まで持っていけばいいので2日目の行動も時間がたっぷりあります。


白樺荘を出た後、地産地消の食事が出来る井川農林産物加工センター「アルプスの里」へ。
ここはテラス席になっているのでペットと一緒でも問題ありません。
季節の山菜てんぷらが添えられて天ぷらそばも美味しかったです。


次に普段近くで見ることのないダムへ。この井川ダムには中部電力の井川展示館があり、ここにクルマを停めて見学できます。ここらか井川湖畔遊歩道につながっており、廃線となった線路を歩くことも出来ます。


ここから近いところにリバウェル井川スキー場があり、夏場は南アルプスや富士山の眺望が大変良いところのようです。今日は空が曇っており、山道を進んでも眺望は望めないと思い、帰り方向にある湯ノ島温泉へ向かうことにしました。
クルマはエンジンブレーキを使っておりていきますが、一番ローギヤーのLレンジにしてもスルスルとスピードが上がてしまいます。車高が高いのでカーブでは十分スピードを落さないと危ないのですが、そうするとフットブレーキを多用することになります。カーナビがしめしている何十キロという山道の距離を見るとブレーキがフェードしないで持つのか少し心配になります。
ただこのキャンピングカー、サスペンションはエアサスに強化され、ブレーキパッドも強力なものに変更されています。「レンタキャン富士山三島さん肝心なところを強化してくれててありがとう!」と思いつつ下ります。
昨日からクルマの後ろの方でプシューという音が良くしているのですが、これはエアサスの調整の音でしょうか。


下っていく途中、○○方面通行止めの看板が出ていますが、これから通る道かどうかわかりません。
通行止めの不安をかかえつつ下っていると湯ノ島温泉の分岐点へ。湯ノ島温泉方面の下には「大型車は通行できません」と書いてあります。
幅2mのクルマはやっぱり大型車の範疇だよね。どうしようと思案しているとさらに下の新しい看板に「通行止め」の文字。
湯ノ島温泉はあきらめて静岡市内を目指すことにしました。
しばらく走ったところでやっぱり旅の疲れを癒すのは温泉だろうと、静岡近辺の温泉を検索。大江戸温泉物語の天下泰平の湯 すんぷ夢ひろばが見つかり、距離的にもあまり回り道にならないので寄ることにしました。
ペットがいるので交代で温泉に入ることになりますが、そんなときもキャンピングカーなら中でくつろいで待てるので快適です。
ペットも揺れる山道がなくなって一息ついているようです。
昼間で気温も上がってきましたが、天井に着いている換気ファンを回せばこの時期なら十分しのげます。


この後東名高速を走ってレンタキャン富士山三島にクルマを返却しました。
天下泰平の湯に着いたのは3時ごろでしたが、これがもし東京での返却ならここには寄らずに帰っていたところです。
ペットと一緒に乗った感想
運転
マッシュは小ぶりなキャブコンなので運転にもすぐ慣れます。
全長も4.9m弱なので、Uターンが必要なときでもキャンピングカーであることをあまり意識しなくてすみます。
高さは2.7mありますので、走っているときには高さを常に頭に入れておく必要があります。
今回のように細い山道が続くようなところは町中しか走ったことがない人には十分注意が必要です。事前に経路をショップの人にも伝えて相談しましょう。


居住性
さすがキャブコン。外観は小ぶりでも中はファミリー利用でも十分な広さがあります。
リビングの椅子はベッド展開できますが、レバーを使って椅子のたかちを変える方式ではないので展開は簡単です。
運転席上のベッド、リビングのベッド、後部2段ベッドと数カ所にベッドを備えるので人数によっていろいろな使い方が出来ます。
ペットにとっても歩き回れるスペースがあるのでストレス解消になっているようです。


総評
普通のペットを連れた旅行はまず泊まるところの確保に時間を使い、旅の途中も食事のときなどなるべくペットOKのお店を探したりする煩わしさがありますが、キャンピングカーだとそういった準備が必要なく気軽に旅へ出かけられます。
ペットとの旅にレンタルキャンピングカーを加えると旅の選択肢がもっと増えると思います。


今回借りたキャンピングカーはリビングの椅子やベッドに特注のシートカバーを付けているので非常に清潔感があります。


注意
ペット乗車の可否はそれぞれのショップによって規定が違います。全面的にペットの乗車を禁止しているショップも多数あります。
ペット乗車可の車両とそうでない車両を分けて保有しているころ。また、小型犬なら乗車可や乗車時にケージの使用を義務づけているところなど、それぞれ事情が異なりますので、借りる前に必ずチェックして下さい。
レンタキャン富士山三島は現在閉鎖しています