キャンピングカーはどこでも快適な空間を提供してくれます。電気のない山の中、日差しの強い海岸など、環境の厳しい状態であっても、キャンピングカーの中に入ってしまえば、ゆったりとくつろぐことができるのです。
最近のキャンピングカーは装備も充実。電気に不安を感じることもないでしょう。さらに、ホテルのように上質なインテリアのモデルも増えてきました。そんなクルマで旅行すれば、いつもと違う時間を過ごせるかもしれません。
でも、高級なキャンピングカーといえば1000万円クラス。気軽に手が届く価格帯ではありません。そこでおすすめなのが、プチぜいたくを楽しめるハイグレードなレンタルキャンピングカーです。
今回はキャブコンビルダーでもあるバンテック直系のバンテックレンタカーで、高級キャンピングカーを借りて、ちょっとリッチな時間を過ごしてきました。
目次
トヨタカムロードのキャンピングカー「ジル」を成田でレンタル
キャンピングカーはバンテックレンタカーの千葉成田空港店でレンタルしました。成田空港のすぐ近く、目の前は第3ターミナルです。成田空港のインターチェンジを降りて、5分もかからず到着しました。
目印は成田東武ホテルエアポートへ入る交差点から東横INN成田空港新館へ進むと、目に飛び込んでくる、ずらりと並んだキャブコンです。
ビルダー直系のレンタカーショップなので、車両がどれもきれい! 清掃がしっかり行われているのはもちろんですが、クルマのメンテナンスもすぐに対応しているのがよく分かります。
店内で受付をすると、クルマの説明がありました。停車時にオーディオのバッテリーを切り替える方法など、キャンピングカーならではの装備について、詳しく教えてもらえます。
受付、説明が終わるとレンタルスタート。借りたキャンピングカーはジル5です。5代目のジルで、バンテックのロングセラーモデルでもあるジルの基本となるクルマです。
ショップの敷地も広く、目の前の道も交通量がそれほど多くないので、慣れない運転でも安心してスタートできました。高速道路の入口も近いので、いろいろな場所へのアクセスもしやすいです。
成田空港のお隣と言うことで、飛行機に乗ってきた人にとっては使いやすい場所にあります。ホテルも近くにあって、ホテルを併せて利用すると、さらに旅が充実するかもしれません。
海沿いの強い日差しでも、キャンピングカーの室内はクーラーで快適
成田空港の滑走路を横目に、海へと続く道路を進みました。今回の旅行では、旅というよりは、キャンピングカーそのものを楽しんでいきたいと思います。
まず最初に到着したのは九十九里海岸の真ん中あたり、蓮沼というエリア。ここまで1時間ほどクルマを走らせたので、早速休憩です。
駐車場にクルマを停めると、痛いほどの日差しが降り注いでいました。駐車場に木陰はありません。
サブバッテリーの表示は100%満タン状態だったので、エアコンを利用してみました。外部電源を接続しなくても、エアコンが使えるということでしたので、リアの居住スペースに移動してスイッチオン。
室外機の音を気にして、外に出てみましたが、あまり音がしません。室内はエアコン室内機から出る静かな音だけです。
窓の外には強い日差しに照らされたグリーンが映えています。そんななか、室内は涼しい風が静かに流れているのです。普通のクルマだったら考えらないシチュエーションでした。
クルマのエアコンを使って移動してきたこともありますが、日中でもエアコンが効いていることに少し驚きました。キャンピングカーの断熱性能と十分な容量の電源のありがたみを感じます。
道の駅オライはすぬまで人気No.1のいわし丼に挑戦!
九十九里海岸を南北にドライブしてからやってきたのが道の駅オライはすぬま。普通乗用車の駐車場以外に、少し大きなクルマ用の駐車場があって、ジル5にピッタリサイズの枠がありました。
久しぶりにカムロードベースのキャンピングカーを運転しましたが、ジルは本当に運転しやすい。ハンドルがよく切れて小回りができるので、駐車する時も楽々です。バックの時のリアモニターとルームミラーに取り付けられた常時バックモニターのおかげで、クルマの回りをしっかりと確認できました。
ここまで装備が充実していれば、レンタルキャンピングカーの運転も安心できるのではないでしょうか。
道の駅にある物産館「喜太陽」は品数豊富です。海も近いので海産物も多く、また、地元の野菜もたくさん販売されています。お弁当もたくさんあるので、キャンピングカーユーザーにはおすすめの道の駅です。
物産館の隣にあるのがレストラン「蓮味」。こちらの人気メニューがいわし丼です。ご飯の上に揚げた大きないわしが載っています。肉厚で魚の味がしっかりと残っていて、ごはんが進みます。オプションのいわしのだんご汁をつけたのですが、こちらも絶品でした。
ランチを食べ終えて、物産館で夕食の食材を購入。今回は調理をしないことに決めていたので、お弁当と地ビール、そして、おつまみをチョイスしました。おつまみは地元で取れたエシャロットと味噌ピーナッツ。思いっきり千葉を堪能しています。
高規格RVパークはすぬまでキャンピングカーの旅をグレードアップ
道の駅オライはすぬまで食事と買い物をすませ、駐車場で次の目的地をナビにセットしようとしたら、行こうとしていたRVパークはすぬまはすぐお隣でした。歩いて1分もかからず移動できる距離です。
山武市蓮沼交流センターという施設の裏側に広大なRVパーク用のスペースが広がっていました。区画は5m×7.5mと広め。上の写真の左側には5m×14mという超ビッグサイズのスペースもあります。こちらはトレーラー用に使うそうです。
交流センターの中で受付をして、指定の枠にクルマを停めます。RVパークは建物の裏側になるので、最初は表の駐車場に停めてから受付しましょう。
公共の施設ですが、チェックインが20時まで対応してくれるので、キャンピングカーユーザーにとってはありがたいサービスです。
設備も充実していました。電源は各サイトに上の写真のような配電盤が設置されていて、その後ろには水道と排水まであり、フルフックアップの設備が整っています。各設備もきれいで、使っていて気持ちよかったです。
24時間利用できるトイレ、サニタリー、ゴミステーションの建物が駐車場の敷地内に建っています。トイレもシャワー付きできれいに管理されていて、ゴミも分類すれば処理してくれるようになっています。
ここまで設備・サービスが揃っていて1泊3,050円(2022年4月現在)でした。近くの海岸も500mと近いので、旅の拠点として使うには便利な場所といえるでしょう。
ハイグレードなジルで優雅な時間を過ごす
外部電源を接続したら、車内に乗り込んで、のんびりとすることにしました。このジル5はリアエントリーでフロント側に大きなソファータイプのシートがレイアウトされています。
モダンインテリア風の室内デザインが落ち着いていて、まるでホテルの様な雰囲気です。エントランスからの眺めも開放的で圧迫感を感じません。リアにキッチンがレイアウトされ、リビングエリアと分かれているのも、広々としたソファーを演出しているのかもしれません。
冷蔵庫や電子レンジも装備されていました。地ビールを冷蔵庫へ入れて、お弁当もいつでも温められる状態でセッティング。外部電源も接続しているので、電気を気にせず使えるので安心です。
トイレ&シャワールームも広くてきれいです。今回はどちらも使いませんでしたが、利用するのであれば、事前にレンタカー店舗のスタッフに使い方などを確認しておきましょう。
明るくて広々としているので、女性の方はパウダールームとしても利用できるのではないでしょうか。キャンピングカーにしては、ちょっとぜいたくな環境でした。
美しい光に包み込まれるキャンピングカーのインテリア
サイドのシェードを閉めて、フロントのカーテンを引けば、完全にプライベート空間になります。夕食までは時間があるので、テレビを観ながらメールチェックです。
テーブルも大きく、電源が確保されているので、仕事をするのにも最適な環境でした。テレワークにレンタルキャンピングカーを使うのもいいかもしれません。いつもと違った上質な空間で、いいアイデアが出てきそうです。
あまりにも環境がよいので、気づいたら冷蔵庫からさっき買った地ビールを取り出していました。足元の間接照明など、非日常の落ち着いた雰囲気が心地よいです。ソファーも大きいので、気づいたらL字型シートで横になりウトウトと。
ベッドメイクしなくても、そのまま寝られるのはポイントが高いかもしれません。ドライブ中のちょっとした仮眠など、すぐに横になれるのはありがたいです。
また、室内の優しい光が眠りを誘います。あまりにも気持ちよく寝ていたので、起きた時はキャンピングカーの中にいることを忘れていました。
いつもと違う時間をキャンピングカーのジルと一緒に過ごす
2本目のビールを手に外に出てみました。区画内に収まるのであれば、オーニングを使ってもいいですよ、と言われていたので、サイドオーニングを出してみました。
オーニングは風の影響を受けやすいので、風に注意しながらセッティングを進めます。地面が土などであれば、キャンプ用のペグなどでアンカーを打って固定した方が安全です。今回は風がなかったのですが、ボディに固定する方法でサイドオーニングを広げています。
コンパクトに収納できるイスとテーブルをセッティングして、星を眺めながらのビールは最高でした。道の駅で買ったおつまみのおかげで、少しハイペース気味です。でも、振り向けばベッドルームがあるので、安心して飲むことができます。この余裕が心地いいのです。
ベッドはバンクスペースのベッドを利用しました。スライド式のベッドマットを引き出すだけでセッティング完了。リビングエリアのレイアウトはまったく変更していないので、非常に気楽でした。
レンタルキャンピングカーはマットレスが付いていますが、布団などはありません。寝袋をレンタルもできるようですが、ほとんどの人が自前で持ってくるそうです。私はレンタルキャンピングカーの場合は上のセットが必須です。
左写真は寝袋用シーツと夏用の寝袋です。キャンピングカーにはFFヒーターが付いているので、冬でもこのセットです。夏場であれば、シーツだけでも寝られます。ペットボトル程度の大きさなので、電車で移動する場合でもかさばりません。
右写真はゴミ袋とコップです。なくてもいいのですが、ゴミはどうしても出てしまうので、ビニール袋を持参すると便利です。コップは車内での快適性をワンラックアップしてくれますので、おすすめのアイテムです。
サイドオーニングを収納して車内に入ったら、ほとんど外に出ることはありませんでした。室内の照明を少し落として、のんびりと過ごしました。室内にいるだけで、なぜか気分が盛り上がります。その心地よさに眠りも深かったようで、あっという間に朝を迎えました。
シェードを開けると朝日が差し込んできて、カーテン越しの柔らかい光が心地よさを感じさせます。この室内から眺める光景が、気持ちを落ち着かせ、最高のリラックスした気分にしてくれました。
時々、こうしてハイグレードなキャンピングカーをレンタルして、リフレッシュするのもいいかもしれません。また、すぐにこの光景を眺められることを期待して、クルマの返却に向かいます。